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結納のマナー講座(1)

2015年01月30日(金)

結納のマナー講座1 地域の結納の儀式とは?

結婚前に行う婚約の儀式が結納ですが、正式な結納の形をとらずに、簡略化するカップルが増えています。結納は両家の顔合わせが一番の目的だとする現在の風潮が、よく現れています。しかしその一方で、正式に結納の儀式を行いたいカップルもいます。親の世代を尊重したいカップルもいるでしょう。正式な結納の儀式は地域によって大きく異なります。女性側・男性側それぞれの地域の結納の方法を理解して、事前にどちら側に合わせた儀式を行うのか、話し合うのが肝心です。男性側が女性側の出身地に合わせるのが一般的な方法ですが、どのような結納を行うのか、カップルで相談して、お互いの両親に事前に伝えることを忘れないようにしましょう。今回は地域により異なる、結納の方法をご紹介します。

結納の地域的な特徴その1 関東式とは

関東の結納は、男性側が結納金または物品を渡し女性は半返しするのが風習です。結納品は結納の儀式の場で取り交わします。儀式はおおよそ20分程度で、その後食事会で親睦を深めるのが一般的です。食事会は約2~3時間かけて行われます。結納の儀式は、最近では結婚式を行うホテルのパックを利用するカップルが多いようですが、一番多いのは、料亭を利用するケースです。個室があり、格式も感じられるのが人気の理由です。また、結婚式場の下見を兼ねて、式を行うホテルのレストランで行うケースも増えています。その他、女性の自宅で行う場合もあります。関東式の結納は男女同等扱いですが、儀式では、男性の父親が進行をつとめ、あいさつを行うのが一般的です。男性が結納の品として結納金や婚約指輪を送り、女性がその半額程度の時計などを返すパターンが多くなっています。

結納の地域的な特徴その2 関西式とは

関西式の結納はとても豪華に行います。結納品は男性だけが贈る風習があります。女性は受書(うけしょ)だけを渡し、後日1割程度の物品を届けて返礼とします。結納飾りも豪華で、多くの場合9品以上の奇数(2で割り切れない整数であることから、「割れない・別れない」の意)個です。結納の品は一品ごとに個別の結納飾りが用いられ、飾りつけは全て男性側で行います。豪華な結納式を行うため、女性は正装で臨むのがマナーとなっており、振袖を着るのが一般的です。

結納の地域的な特徴その3 九州式とは

九州式の結納の儀式は関西式に準じていますが、一世一代の儀式として結納を重んじる風習が根強く残っています。九州では結納式の実施率は日本でもトップとなっており、それだけ重要視していることがうかがえます。結納の儀式は女性宅で行われるのが一般的で、男性はお酒一升、鯛一尾、その他お茶などを持参します。地域によっては、結納が終わると、ご近所や親戚に結納品をお披露目する「お茶開き」の儀式を行うこともあります。

結納の地域的な特徴その4 中部式(名古屋式)とは

よく名古屋の結納・結婚式は派手で豪華だといわれていますが、実際はどうなのでしょう。概して関西式に準じますが、宝船・呉服細工を用意することが名古屋式の大きな特徴です。着物の生地を宝船などに見立てて細工し、飾ります。細工を解けば、着物を仕立てることができるようになっています。しかし最近では着物を着る人が減少していることから、これを行わないカップルも増えています。ただこれは、名古屋の結納の最大の特徴ですので、両親が格式を重視する人なら、漏らさず用意したい一品です。

結納の地域的な特徴その5 北海道式とは

結納の儀式を行う率が最も低いのが、北海道です。北海道では、結納は両家の顔合わせの儀式という考えが強く、結納の品はどちらからも贈らないのが一般的です。結婚式を行うホテルのレストランなどで両家が顔を合わせて食事をし、式や今後のことなどについて和やかに話し合います。格式ばったことは行いません。ここで注意が必要なのは、男性・女性双方が北海道の出身ならば問題ありませんが、どちらかが中部や関西・九州の出身の場合には、事前に相談をしておかないと大問題が起こりかねないことです。北海道では普通でも、他の地域からすると理解しがたい習慣だからです。

いかがでしたか? 全国の特徴的な結納の儀式についてご紹介しました。結婚に至るまでには、さまざまな風習や習慣がありますね。結納は思い出に残るすてきな儀式です。略式でもよいので、やっておきたいものです。男性が誠実さを見せること、両家が親睦を深めること、この2点が結納の目的だと理解して、自分たちに合ったスタイルを選んでみてください。

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